トラックのデジタコの使い方について解説

2025年3月1日

トラックのデジタコ（デジタルタコグラフ）は、運転中の走行状況や労働時間、休憩時間などを正確に記録し、法令遵守や安全運行のために欠かせないツールです。

ここでは、デジタコの基本的な使い方やその操作方法、メンテナンス、そして法規制との関連について詳しく解説します。

デジタコの基本概要

デジタコとは？
デジタルタコグラフは、トラックの運転データ（速度、走行距離、加速度、エンジン回転数など）と、運転者の労働時間・休憩時間の記録を自動的に取得・保存する装置です。

これにより、労働基準法や道路運送法で定められた運転時間や休憩時間の管理が厳格に行われ、万が一の事故や違反が発生した場合の証拠としても活用されます。

初期設定とドライバー登録

ドライバーカードの登録
運転者は、専用のドライバーカードをデジタコに差し込み、個々の運転者情報（氏名、運転免許証番号、所属事業者など）を登録します。これにより、記録されたデータが正確に個人ごとに紐づけられるため、法令遵守や業務管理が容易になります。
初回設定の確認
新規にデジタコを導入した場合やメンテナンス後は、装置の動作確認や時刻設定、基本パラメータの調整が必要です。取扱説明書に従い、正しい設定が行われているかを確認してください。

運転開始前のチェック

運転中の記録

自動記録機能
トラックが走行中、デジタコは自動的に各種運転データを記録します。速度や走行距離、加速度、運転時間、休憩時間などのデータが定期的に内部メモリに保存され、法定保存期間（国や地域によって異なる）の間保持されます。
手動入力の必要性
一部の状況では、運転者が走行前後に「出発」や「到着」、「休憩開始」「休憩終了」などを手動で入力する必要がある場合もあります。これにより、正確な労働時間管理が実現されます。

運転終了後の手続き

データの確認と印刷
運転終了後、デジタコに記録されたデータを車内のディスプレイで確認することができます。また、必要に応じてデータを印刷する、もしくは専用のPCソフトウェアを用いてデータをダウンロードし、事業者側での管理・解析を行います。
エラーや異常の確認
走行後にエラー表示や警告が出ていないか、記録に不具合がないかをチェックすることも重要です。エラーが発生している場合は、早急に専門業者に点検・修理を依頼してください。

デジタコは、運転者の過労運転防止や交通事故の抑止、安全な道路交通の維持を目的として導入が義務付けられている地域もあります。

たとえば、一定規模以上の商用トラックや長距離運行車両では、労働基準法や道路運送法に基づき、正確な労働時間管理が求められます。

また、デジタコのデータは行政や保険会社、労働監督機関によってチェックされる場合があるため、運転者・事業者ともに正確な記録管理が不可欠です。

定期点検とキャリブレーション

デジタコは、法定期間ごとにキャリブレーション（校正）が義務付けられている場合があります。これにより、常に正確な記録が保たれるようになっています。点検時には、取り扱い業者やメーカーの指定サービスセンターに依頼しましょう。

トラブルシューティングの基本手順

エラー表示の確認
もし装置にエラー表示が出た場合、エラーメッセージの内容を確認し、取扱説明書に沿って対処します。簡単な再起動や設定のリセットで解決する場合もありますが、専門家の診断が必要なケースもあります。
記録データの不整合
データに不整合や欠損が見られる場合は、運転者の手動入力漏れや装置の通信エラーが考えられます。こうした場合は、運転者と事業者双方で記録の確認を行い、必要に応じて修正・再ダウンロードを実施してください。