トラックのエンジンチェックランプ（エンジン警告灯）が点灯すると、多くのドライバーは不安になるでしょう。
エンジンの異常を示す重要なサインですが、故障の種類や程度はさまざまです。
単なるセンサーの誤検出から深刻なエンジントラブルまで、幅広い原因が考えられます。
本記事では、エンジンチェックランプが点灯する主な理由と、その対処法について詳しく解説します。
目次
エンジンチェックランプが点灯する主な原因
エンジン警告灯が点灯する原因は大きく分けて以下のようなものがあります。
排気系の異常（DPF・EGRの詰まり）
原因
- DPF（ディーゼル・パティキュレート・フィルター）が詰まると、排気ガスがうまく排出されずエンジンに負担がかかります。
- EGR（排気再循環装置）にカーボンやススが蓄積し、正常に機能しない場合もエンジン警告灯が点灯します。
対処法
- DPFの強制再生（走行中に高回転を維持する、または車両に搭載されている再生ボタンを押す）
- 定期的なDPF清掃（ススが溜まりにくいようにする）
- EGRバルブの清掃または交換（特に走行距離が長い場合は要注意）
燃料系の異常（燃料フィルター・インジェクターの詰まり）
原因
- 燃料フィルターが汚れると燃料供給が不安定になり、エンジンに負荷がかかる。
- インジェクターの詰まりにより燃焼効率が悪化し、エンジンの動作に影響を及ぼす。
対処法
- 燃料フィルターの交換（定期的に清掃・交換）
- インジェクタークリーナーの使用（燃料添加剤で清掃）
- 高品質な軽油を使用（低品質な燃料は汚れを招きやすい）
センサー類の異常（O2センサー・水温センサー・エアフローセンサー）
原因
- O2センサー（酸素センサー）が故障すると燃焼状態が適切に調整できず、排ガス異常や燃費悪化を引き起こす。
- エアフローセンサーが故障すると空気流量が適切に測れず、燃料噴射量が狂う。
- 水温センサーの異常で冷却系統の異常を誤検出し、エンジンチェックランプが点灯することもある。
対処法
- 故障診断機（OBD2スキャナー）でエラーコードを確認
- センサー交換（特に経年劣化している場合）
点火系の異常（プラグ・イグニッションコイル）
原因
- 点火プラグが劣化するとスムーズに燃焼できず、エンジンの振動や失火が発生する。
- イグニッションコイルの故障で点火が正常に行われない場合もある。
対処法
- 点火プラグの交換（定期的な点検を推奨）
- イグニッションコイルの交換（症状が改善しない場合）
オイル・冷却水・バッテリーの異常
原因
- エンジンオイルの劣化や不足により、エンジン内部の摩擦が増え、異常が検知される。
- 冷却水（クーラント）の不足や水温上昇でオーバーヒートの危険がある。
- バッテリー電圧が低下すると、電子制御系統に異常が出ることも。
対処法
- エンジンオイルの定期交換
- 冷却水の点検・補充
- バッテリーの電圧確認・交換
エンジンチェックランプが点灯したときの対処手順
すぐにエンジンを止めるべきか確認
- 赤色で点灯している場合 → 直ちにエンジン停止（重大な故障の可能性）
- 黄色で点灯している場合 → 走行は可能だが、早めに点検を推奨。
OBD2スキャナーでエラーコードを確認
- 診断機を使えば、どの部位に異常があるか特定しやすい。
- Pコード（パワートレイン）が表示される場合、エンジン関連の問題。
簡単に解決できるか確認
- ガソリンキャップが緩んでいないかチェック（軽微な原因で点灯することも）
- エンジンオイルや冷却水の量を確認
- バッテリーの接続確認（緩んでいないか）
自分で解決できない場合は整備工場へ
- 診断後、センサー交換や清掃で済む場合はDIYで対応可能。
- エンジンの異音や振動がある場合は、速やかに整備工場へ。
エンジンチェックランプを予防するためのメンテナンス
定期的なオイル交換
- エンジンオイルは5,000kmごとあるいは半年に1回の交換が推奨。
- DPF搭載車は低灰分オイルを使用しないと詰まりやすい。
燃料フィルターとエアフィルターの清掃
- 走行距離10,000kmごとにチェックし、汚れていれば交換。
DPFの適切な管理
- 長時間のアイドリングを避ける（DPFの詰まりを防ぐ）
- 定期的に高速走行を行い、強制再生を促す
OBD2診断機を持っておく
- DIYで診断できるので、原因を早めに特定可能。
まとめ
トラックのエンジンチェックランプが点灯する原因は多岐にわたりますが、排気系（DPF・EGR）、燃料系（フィルター・インジェクター）、点火系（プラグ・コイル）、センサー系（O2・エアフロー・水温）、オイル・冷却水不足などが主な要因です。
適切な点検とメンテナンスを行えば、未然に防ぐことができます。
まずはエラーコードを確認し、自分で対処できるか判断し、必要に応じて整備工場へ相談しましょう。
