トラックのブレーキオイル(ブレーキフルード)は、ブレーキシステムの重要な要素の一つで、油圧を利用してブレーキを作動させる役割を果たします。
ブレーキオイルの正しい管理と定期的な点検は、安全運転のために欠かせません。
目次
トラックのブレーキシステムの種類
トラックのブレーキシステムには大きく分けて以下の2種類があります。
油圧式ブレーキ(ハイドロリックブレーキ)
- 主に小型トラック(2tクラスまで)に使用
- ブレーキフルードを使用
- 乗用車と同じようにブレーキオイルを使って油圧を発生させるシステム。
空気式ブレーキ(エアブレーキ)
- 中型・大型トラックに採用
- ブレーキオイル(ブレーキフルード)は使わず、エアタンクに圧縮空気を貯めてブレーキを作動させる。
- ブレーキオイルの補充は不要だが、エアドライヤーやブレーキエアの水抜きが必要。
ここでは、小型トラックに搭載される「油圧式ブレーキ」のブレーキオイルの場所と点検方法について詳しく解説します。
ブレーキオイルの場所
ブレーキオイルタンクの設置位置
- 小型トラック(2tクラス)の場合、ブレーキオイルタンク(リザーバータンク)はエンジンルーム内にあります。
- 一般的な設置場所:
- 運転席側のエンジンルーム内(ボンネットを開けてすぐ見える)
- ブレーキマスターシリンダーの近く
- 白や半透明のプラスチック製のタンクで、側面に「MIN」と「MAX」のラインがある。
車種ごとの違い
- いすゞ エルフ(Isuzu Elf) → 運転席側の奥に配置。
- トヨタ ダイナ(Toyota Dyna) → ブレーキマスターシリンダーのすぐ上。
- 日野 デュトロ(Hino Dutro) → エンジンルーム内の運転席側。
ポイント
大型トラック(4t以上)ではエアブレーキを採用しているため、通常ブレーキオイルタンクは存在しません。
ブレーキオイルの確認・点検方法
ブレーキオイルの量を確認
- エンジンを止め、車を平坦な場所に停車
- ボンネットを開け、リザーバータンクを探す
- タンクの外側からオイルの残量をチェック
- 「MIN」と「MAX」の間にあるか確認。
- 「MIN」以下ならブレーキオイルの補充が必要。
- オイルが汚れて黒く変色している場合、交換を検討する。
ブレーキオイルの色の確認
- 新しいオイル:薄い黄色や透明(DOT3, DOT4)
- 劣化したオイル:茶色~黒色
オイルが劣化していると、ブレーキ性能が低下するため、定期的に交換が必要。
ブレーキオイルの補充方法
必要なもの
- 適合するブレーキオイル(DOT3, DOT4)
- 清潔な布やペーパー
- じょうご(こぼさないため)
- ゴム手袋(オイルが塗装を傷めるため)
補充手順
- リザーバータンクのキャップを外す
- 適合するブレーキオイルを「MAX」ラインまで補充
- キャップをしっかり閉める
- エンジンをかけ、ブレーキペダルを数回踏んでエア抜きをする
- 漏れがないか確認
注意点
- 違う種類のブレーキオイルを混ぜない(性能低下の原因)。
- こぼした場合はすぐに拭き取る(塗装を傷める)。
- ブレーキの効きが悪い場合は整備工場で点検を依頼。
ブレーキオイルの交換時期
推奨交換サイクル
- 2年に1回 or 2万kmごと(メーカー推奨)
- 長期間交換しないとブレーキの効きが悪くなる。
交換が必要なサイン
- オイルが黒く変色している
- ブレーキペダルがふわふわして反応が鈍い
- ブレーキの効きが悪い
ブレーキオイルは湿気を吸収しやすく、長期間使うとブレーキ性能が低下するため、定期的な交換が重要です。
ブレーキオイルに関するよくある質問
Q1. ブレーキオイルが減る原因は?
- ブレーキパッドの摩耗(消耗するとオイルが下がる)
- ブレーキシステムのオイル漏れ
- 経年劣化による自然な減少
Q2. ブレーキオイルがなくなるとどうなる?
- ブレーキペダルを踏んでも効かなくなる
- ブレーキがスカスカになり危険
- 最悪の場合、ブレーキが完全に作動しなくなる
ブレーキオイルの減少は事故につながる可能性があるため、定期的な点検が必要です。
Q3. どの種類のブレーキオイルを使えばいい?
- 小型トラックのほとんどが 「DOT3」または「DOT4」を使用。
- マニュアルで指定されているものを使用するのがベスト。
- DOT5はシリコン系で互換性がないため、間違えて使用しないこと。
まとめ
ブレーキオイルの場所
- 小型トラック(2tクラス)の場合、エンジンルーム内の運転席側にあるリザーバータンク。
点検方法
- 「MIN」と「MAX」の間にあるか確認。
- オイルが黒く変色していたら交換。
補充方法
- 指定のブレーキオイル(DOT3, DOT4)を使用し、こぼさないように補充。
交換時期
- 2年ごと、または2万kmごとに交換が推奨。
注意点
- ブレーキオイルが減っていたら放置せずに補充すること!
- ブレーキの効きが悪いと感じたら、すぐに整備工場へ!
以上、トラックのブレーキオイルの場所についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
バスやトラック、キッチンカーのラッピングは、シーモアシー株式会社にお任せください。