トラックのホイールベース(wheelbase)とは、車両の前輪の中心から後輪の中心までの水平距離を指します。
この寸法は、トラックの性能、操作性、積載能力など、多くの重要な要素に影響を与えます。
以下では、ホイールベースの基本、種類、影響、設計上の考慮点について詳しく説明します。
目次
ホイールベースの基本と測定方法
ホイールベースは、以下のように定義されます。
- 水平距離:前輪の中心と後輪の中心を直線で結んだ距離。
- 単一車軸の場合:前後の車軸の間の距離。
- 複数の車軸の場合:中間点を基準に測定することが多い。
例えば、2軸車(ダブルアクスル)の後輪が2つある場合、後部の車軸群の中心から前輪の中心までの距離がホイールベースとして計算されます。
トラックにおけるホイールベースの種類と分類
トラックでは、用途や車両の設計に応じてホイールベースが設定されています。
以下のように分類できます。
- 短いホイールベース(Short Wheelbase, SWB)
- 機動性に優れる。
- 都市内配送や狭い場所での作業に適している。
- 一般的に軽トラックや小型トラックに見られる。
- 中程度のホイールベース(Medium Wheelbase, MWB)
- 機動性と積載能力のバランスが取れている。
- 中距離輸送や特定の用途に利用される。
- 長いホイールベース(Long Wheelbase, LWB)
- 積載能力を最大化できる。
- 高速道路輸送や大型荷物の運搬に適している。
- トレーラーヘッドや大型トラックで一般的。
ホイールベースの影響
ホイールベースは、以下の性能に直接影響します。
操作性(Turning Radius)
- 短いホイールベース:小回りが利くため、狭い道や駐車場での操作が容易。
- 長いホイールベース:回転半径が大きく、狭い場所での操作が難しい。
走行の安定性(Stability)
- 長いホイールベース:直進安定性が向上し、高速道路での運転が安定。
- 短いホイールベース:高速走行時に振動やふらつきが発生しやすい。
荷重分布と積載能力
- 長いホイールベースは荷重分布が均等になり、大きな積載能力を持つ。
- 短いホイールベースでは荷台が短くなるため、積載能力に制限が生じる。
燃費への影響
- 一般的に短いホイールベースの車両は軽量で、燃費が良い傾向がある。
- 長いホイールベースでは重量が増し、燃費が悪化する場合がある。
設計上の考慮点
トラックのホイールベースを選定・設計する際には、以下の点が考慮されます。
- 積載物の種類:
- 長い荷物(鉄鋼、木材など)の輸送には長いホイールベースが必要。
- 小型・軽量物(配達用パッケージなど)には短いホイールベースが適している。
- 使用環境:
- 都市部では短いホイールベースが推奨される。
- 長距離輸送では長いホイールベースが最適。
- 法規制:
- 日本では道路運送車両法により、車両の寸法やホイールベースの最大値が規定されている。
特殊用途トラックのホイールベース
用途によっては、ホイールベースが特別に設計されます。
- クレーン付きトラック:バランスを取るため、適切なホイールベースが設定される。
- 冷凍車やタンクローリー:貨物の重心を考慮したホイールベース設計。
- オフロードトラック:地形に対応するため、短いホイールベースが多い。
まとめ
ホイールベースは、トラックの性能と用途に大きな影響を与える重要な要素です。
選定時には操作性、安定性、積載能力、使用環境を総合的に考慮する必要があります。
また、道路の法規制や使用目的に応じた適切なホイールベースの選定が、安全で効率的な運用につながります。
以上、トラックのホイールベースについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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