トラックの輪止め(車輪止め)は、車両の意図しない動きを防ぐために非常に重要な役割を果たします。
適切な位置に設置しないと、事故や車両の滑走の原因になるため、正しい使い方を理解しておく必要があります。
目次
輪止めを設置する理由
- 車両の滑走を防ぐ(特に坂道や傾斜のある場所)
- 荷物の積み下ろし時の安全確保
- 駐車ブレーキの補助
- 作業員や周囲の安全を確保
輪止めの正しい設置位置
輪止めの設置位置は、トラックの駐車状況や地形(傾斜)によって異なります。
基本的な原則を以下に示します。
平坦な場所での設置
- 基本的に「駆動輪の後ろ側」に設置する。
- 駆動輪(後輪が駆動するトラックの場合は後輪)が最も重要なポイント。
- 前進駐車なら、後輪の後ろに設置。
- 後退駐車なら、前輪の前に設置するのも有効。
坂道(上り坂)の場合
- 下がる方向に輪止めを設置するのが基本。
- 上り坂で前進駐車する場合 → 後輪の後ろ
- 上り坂で後退駐車する場合 → 前輪の前
坂道(下り坂)の場合
- 前に滑るのを防ぐため、前輪の前に輪止めを設置。
- 下り坂で前進駐車する場合 → 前輪の前
- 下り坂で後退駐車する場合 → 後輪の後ろ
片側の車輪だけに設置する場合
- 片側だけに設置する場合は駆動輪に優先的に設置する。
- ただし、両輪に設置するのが最も安全。
輪止めの正しい使い方
設置の手順
- サイドブレーキをしっかりかける。
- トラックの輪止めを適切な位置に設置する。
- 輪止めがしっかり接地しているか確認。
- 車両を動かしてみて輪止めが機能しているか確認(必要なら調整)。
撤去の手順
- エンジンをかけて、ブレーキを踏んだ状態でサイドブレーキを解除。
- ギアをニュートラルにして、トラックが動かないことを確認。
- 輪止めを取り外してから発進する。
輪止めの選び方
- 耐荷重に適したものを選ぶ(トラックの重量に合ったもの)
- ゴム製や金属製のものが耐久性が高い
- 滑り止め加工が施されたものが安全
- 反射材付きのものは夜間でも視認しやすい
法律・規則と注意点
- 労働安全衛生規則 第151条:「事業者は車両系荷役運搬機械の運転者が運転席を離れるときは、車輪止めなどを使用して車両の移動を防ぐ措置を取らなければならない」と定められている。
- トラック運送業の安全指導では、輪止めの使用が推奨されている。
- 駐車時の輪止め未使用で事故が発生した場合、責任を問われる可能性がある。
まとめ
- 駆動輪を基準に設置するのが基本
- 坂道では「下がる方向」に設置する
- 輪止めは必ず2つ設置するのが理想
- サイドブレーキと併用することでより安全
- 撤去時も慎重に行う
輪止めは「使う位置」と「設置の仕方」によって安全性が大きく変わるため、適切な方法を守ることが重要です。
以上、トラックの輪止めの正しい位置についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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