トラックのエンジンをかける方法は、一般的な乗用車と似ていますが、ディーゼルエンジンを採用していることが多く、エンジンの始動手順にいくつかのポイントがあります。
特に、大型トラックでは安全対策や車両特有の仕様があるため、適切な手順を守ることが重要です。
目次
エンジンをかける前の確認事項
エンジンをかける前に、安全確認と適切な準備を行います。
外部・周囲の確認
- 周囲の安全確認
トラックの周囲に障害物や人がいないか確認します。 - タイヤの状態チェック
パンクや異常がないかを目視で確認します。 - ミラーとライトのチェック
サイドミラー・バックミラーが正しく調整されているか確認します。
車内の確認
- ギアの位置確認
マニュアル車の場合は「ニュートラル(N)」に、オートマ車の場合は「P(パーキング)」または「N」に入っていることを確認します。 - サイドブレーキの確認
サイドブレーキ(ハンドブレーキ)がしっかりとかかっているかをチェックします。 - アクセルペダルの確認
異物が挟まっていないか、ペダルが正常に動くか確認します。
エンジンのかけ方
キーを回す(イグニッション操作)
- キーを「ACC(アクセサリー)」位置に回す
電装品(ラジオやメーター類)が作動する状態になります。 - キーを「ON」位置に回す(グロー点灯確認)
ディーゼルエンジンの場合、グロープラグ(予熱装置)のランプが点灯し、エンジン内部の燃焼室を暖めます。(特に寒冷地では重要) - グロープラグのランプが消えるのを待つ
グローランプ(スパイラル状のマーク)が消えるまで待ちます。(通常5~10秒) - キーを「START」位置に回す(エンジン始動)
セルモーターが回り、エンジンが始動します。
エンジンがかかるまで、3~5秒ほどキーを回したままにします。(長く回しすぎるとバッテリーに負担)
注意点
- もしエンジンがかからない場合は、一度キーを戻して10秒ほど待ち、再度試します。
- 連続でセルを回しすぎると、バッテリー上がりの原因になるので注意。
エンジン始動後の確認
- エンジン音をチェック
異音がしないか確認します。(ガラガラ音や異常な振動がある場合は注意) - メーター類を確認
異常なランプ(警告灯)が点灯していないかを確認します。 - アイドリングを安定させる(暖機運転)
寒冷地や長時間停車後は、エンジンをかけた直後にすぐ動かさず、30秒〜1分程度アイドリングしてエンジンを温めます。(現代のディーゼルエンジンでは暖機運転は短時間でOK)
エンジンがかからない場合の対処法
もしエンジンがかからない場合、以下の原因が考えられます。
バッテリー上がり
- キーを回してもセルモーターが回らない場合
→ バッテリーが上がっている可能性大。ジャンプスターターやブースターケーブルで救援車から電源供給。
燃料不足
- ディーゼル車の場合、燃料切れ後はエア抜きが必要
→ 燃料補給後、エア抜きをしないとエンジンがかからないことがある。
セルモーターの故障
- カチカチ音はするがエンジンが回らない
→ セルモーターやリレーの異常が考えられる。整備が必要。
燃料フィルターの詰まり
- 長期間使用していない場合や、寒冷地で燃料が凍結した場合
→ フィルター清掃や暖める処置が必要。
エンジンを切る方法
アイドリングを少し行う
ディーゼル車の場合、特に長距離走行後はすぐにエンジンを切らず、30秒〜1分ほどアイドリングしてターボチャージャーを冷やします。
キーを「OFF」に回す
キーを「OFF」位置に回し、エンジンを停止させます。
サイドブレーキをしっかりとかける
坂道などでは車止め(輪止め)も使用。
ギアを「P」または「N」に入れる(MT車は1速 or R)
特にMT車の場合は、サイドブレーキだけではなくギアも適切な位置に入れて停車。
トラックのエンジン始動時の注意点
- 冬場は燃料凍結に注意(寒冷地では軽油の種類を適切に選ぶ)
- エンジンが冷えているときは急発進しない(エンジンやターボへの負担軽減)
- 警告灯が点灯したままの場合は無理に走らない(オイルや燃料系統の異常かも)
まとめ
トラックのエンジンをかける際は、周囲の安全確認を行い、適切なイグニッション操作をすることが重要です。
特にディーゼルエンジンはグロープラグの予熱が必要な場合があるため、焦らずに手順を守りましょう。
また、エンジンがかからない場合は、バッテリーや燃料、セルモーターの異常を疑い、適切な対処を行うことが大切です。
トラックのエンジン操作に慣れていない場合は、実際に操作しながら手順を確認するとスムーズに習得できます。
以上、トラックのエンジンのかけ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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