トラックのキャビン塗装は、見た目の美しさを保つだけでなく、錆や腐食から車体を守る重要な作業です。
適切な手順と材料を使用すれば、耐久性が高く、美しい仕上がりになります。
ここでは、キャビン塗装の基本的な流れ、必要な道具、塗装方法、注意点について詳しく解説します。
目次
トラックのキャビン塗装の目的とメリット
キャビン塗装の目的
トラックのキャビンは、長年使用すると以下のような理由で塗装が劣化してきます。
- 紫外線や風雨による 色褪せ
- 錆や腐食 の発生
- 飛び石や傷 による塗装剥がれ
- 企業ロゴの変更 などによる再塗装の必要性
塗装を施すことで、キャビンの 防錆効果 を向上させ、トラックの寿命を延ばすことができます。
また、見た目の印象も改善され、企業イメージの向上にもつながります。
キャビン塗装のメリット
- 車体の耐久性向上(錆や腐食の防止)
- 外観の美化(ブランドイメージ向上)
- 再販価値の維持
- 劣化部分の補修
キャビン塗装の基本手順
トラックのキャビン塗装は 「下地処理 → 塗装 → 仕上げ」 の3つの工程に分かれます。
下地処理
塗装の仕上がりを左右する最も重要な工程です。
下地処理が不十分だと、塗料の密着性が悪くなり、すぐに剥がれたり、錆が発生しやすくなります。
洗浄と脱脂
- 車体に 油分や汚れ が付着していると塗料が定着しにくいため、専用の脱脂剤(シリコンオフ) を使ってしっかり拭き取ります。
- 高圧洗浄機を使用し、キャビン全体をきれいにするのも有効。
旧塗膜の剥離(剥がれ・錆部分の処理)
- ペーパーサンダー(電動サンダー) や ワイヤーブラシ を使用して、傷んだ塗装や錆を完全に除去。
- 錆がひどい部分はサンドブラスト で研磨し、錆転換剤 を使用する。
パテ処理
- 深い傷や凹みがある場合 は ポリパテや金属パテ で補修し、乾燥後に#320~#400の耐水ペーパーで研磨して平滑にする。
サフェーサー塗装(プライマー)
- サフェーサー(下地塗装) を塗ることで、塗料の密着性を高め、表面を滑らかにする。
- 乾燥後に #600程度の耐水ペーパー で研磨。
塗装(本塗装)
本塗装はキャビンの最も目立つ部分なので、慎重に作業を進めます。
マスキング
- ガラス、ライト、ゴムパーツ、ドアハンドル など塗装しない部分をマスキングテープと新聞紙やマスキングシート で覆う。
ベースカラー(色塗装)
- 使用する塗料の種類:
- ウレタン塗料(2液型):耐久性が高く、商用車向け
- ラッカー塗料(1液型):乾燥が早いが耐久性は低め
- スプレーガン を使い、2~3回に分けて塗装 する(1回目は軽く吹き付け、2回目以降はしっかり塗る)。
- 各塗装層ごとに 20~30分乾燥 させる。
クリア塗装(トップコート)
- クリア塗装をすることで 光沢と耐久性を向上させる。
- 2~3回に分けてクリア塗装を行う。
- 乾燥時間をしっかり確保(24時間以上) する。
仕上げ(研磨と仕上げ作業)
- 塗装が完全に乾燥したら、表面の細かなゴミやムラを取り除くためにコンパウンドで磨く(細目→極細目)。
- 仕上げにワックスをかけることで艶を出し、塗膜を保護。
キャビン塗装に必要な道具と塗料
必要な塗装道具
道具 | 用途 |
---|---|
スプレーガン | 均一に塗装するため |
コンプレッサー | スプレーガン用の空気供給 |
耐水ペーパー(#320~#1500) | 下地処理・仕上げ研磨 |
ポリッシャー | 仕上げ磨き |
マスキングテープ・シート | 塗装しない部分を保護 |
シリコンオフ | 油分・汚れの除去 |
サフェーサー(プライマー) | 下地塗装 |
ベースカラー塗料 | 本塗装用 |
クリア塗料 | トップコート用 |
キャビン塗装の注意点
塗装環境を整える
- 風の強い日や湿度の高い日は避ける(塗装ムラやホコリ付着を防ぐ)
- 直射日光の当たる場所ではなく、屋内または日陰で作業 する
十分な乾燥時間を確保
- 塗料の乾燥時間を短縮しようとすると、塗膜の強度が低下し、剥がれやすくなる
- 完全硬化には数日必要
安全対策
- 防毒マスクと保護メガネを着用
- 換気の良い場所で作業
まとめ
トラックのキャビン塗装は、適切な下地処理と丁寧な塗装作業を行うことで、長期間美しい状態を維持できます。
自分で行う場合は、十分な準備と慎重な作業が必要ですが、仕上がりに自信がない場合はプロに依頼するのも一つの選択肢です。
塗装を成功させるために、「しっかりした下地処理」「適切な塗料の選択」「乾燥時間の厳守」 を意識しましょう。
以上、トラックのキャビン塗装についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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