Vロッドとは?
トラックの「Vロッド(V-Rod)」とは、トラックや大型車両のリアサスペンション(後輪のサスペンション)に使用される部品の一つで、主に車軸の横方向のズレや不要な動きを防ぐ役割を持つロッド(棒状のパーツ)です。
通常、リジッドアクスル(固定軸)を採用したトラックのリアサスペンションに取り付けられており、リーフスプリングやエアサスペンションと組み合わせて使用されます。
Vロッドの役割
Vロッドは、主に以下の2つの役割を果たします。
横方向のズレを抑制
トラックは、荷重がかかると車軸に対して横方向の力(サイドフォース)が発生します。Vロッドは、この横方向の動きを制御し、安定した走行を維持する役割を果たします。
車軸の位置を適切に保持
特にエアサスペンション車では、リーフスプリングのように固定されたアームが少ないため、車軸が前後左右にズレやすくなります。Vロッドは、車軸の正しい位置を維持し、安定したサスペンション動作を確保するために必要な部品です。
Vロッドの構造と取り付け位置
Vロッドは、名前の通り 「V字型」の形状をしたロッド で、リアアクスル(後輪車軸)とフレームに取り付けられます。
V字型のロッドの先端が車軸側に接続され、2つのロッドの基部がフレームに固定されます。
- Vロッドの主な構成
- ブッシュ(ゴム製の緩衝材) … ロッドの取り付け部分にあり、振動や衝撃を和らげる
- ロッド本体 … 金属製で、剛性が求められる
- 取り付けボルト … シャーシや車軸に固定するための部品
Vロッドは、一般的に片側のリアアクスルに1つ(左右に1組)が配置され、車両の剛性と安定性を向上させます。
Vロッドが劣化・故障するとどうなるか?
Vロッドは常に車体の揺れや振動を受け続けているため、経年劣化や走行距離の増加により摩耗や損傷が発生します。
主な故障の兆候は以下の通りです。
- 異音が発生する
- 走行中や段差を超える際に 「ガタガタ」「ギシギシ」 という音がする
- 取り付け部のブッシュが摩耗している可能性が高い
- ハンドリングが悪化する
- 直進安定性が低下し、ハンドルの操作性が悪くなる
- Vロッドが正しく機能しないと、車軸が横方向にズレやすくなるため
- 車両が左右に振られる
- 特に高速走行時や横風を受けた際に、車体が不安定になる
- 荷物を積んでいる状態では影響がさらに大きくなる
- Vロッドのブッシュが割れている
- ゴム製のブッシュがひび割れたり、硬化していると、振動を適切に吸収できなくなる
これらの症状が出た場合は、早めに点検・交換をすることが重要です。
Vロッドの交換について
Vロッドの寿命は走行環境や使用状況によりますが、一般的に10万km前後と言われています。
ただし、悪路走行が多い場合や重量物を頻繁に積載する場合は早めの点検・交換が推奨されます。
- 交換方法の基本手順
- ジャッキアップ … 作業の安全を確保するために車両を持ち上げる
- Vロッドのボルトを外す … 固定しているボルトを緩め、Vロッドを取り外す
- 新しいVロッドを取り付ける … 交換用の部品を取り付け、適切なトルクでボルトを締める
- 締め付け確認 … すべてのボルトが正しく締まっているか確認
- 試走・点検 … 実際に走行して異常がないか確認する
DIYで交換することも可能ですが、トラックの足回りは重要な安全部品のため、専門の整備工場での交換が推奨されます。
まとめ
- Vロッドはトラックのリアサスペンションに取り付けられるV字型のロッドで、車軸の横方向のズレを防ぐ重要な部品
- エアサスペンション車では特に重要で、直進安定性や走行時の安全性に大きく影響する
- ブッシュの劣化や摩耗により異音やハンドリング悪化が発生するため、定期的な点検が必要
- 走行距離10万km前後で交換が推奨され、整備工場での交換が安全
Vロッドは普段意識されることの少ない部品ですが、トラックの安定した走行には欠かせない重要なパーツです。
もし異音や走行不安定を感じたら、早めに点検することをおすすめします。
以上、トラックのVロッドとはについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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