トラックの無線機の取り付けについて詳しく説明します。
無線機は業務用無線(業務無線)やアマチュア無線、CB無線(市民ラジオ)などさまざまな種類がありますが、一般的な取り付け方法はほぼ共通しています。
目次
無線機の種類を選ぶ
トラックに取り付ける無線機には、いくつかの種類があります。
使用目的に応じて選びましょう。
- 業務用無線(特定小電力無線・簡易業務無線)
- 物流・運送業向け
- 免許または登録が必要
- 比較的広範囲の通信が可能
- アマチュア無線
- 免許が必要(国家資格)
- 通信範囲が広いが、業務利用不可
- CB無線(市民ラジオ)
- 免許不要
- 近距離通信向け
- デジタル簡易無線(DCR)
- 免許不要(登録のみ)
- 音声がクリアで、運送業界で広く使用
無線機の取り付け準備
必要なもの
- 無線機本体
- アンテナ(適切な周波数帯に対応したもの)
- 電源コード(シガーソケット用、またはバッテリー直結用)
- マイク(付属品)
- 固定用ブラケットやボルト
- 配線用工具(圧着端子、電工ペンチ、結束バンド、配線ガイドなど)
無線機の取り付け手順
設置場所を決める
無線機本体は、以下の点を考慮して設置します。
- 運転操作の邪魔にならない場所
- マイクを簡単に手に取れる場所
- 配線がすっきり収まる場所
- 振動の影響が少ない場所(ダッシュボードやセンターコンソールなど)
一般的に、ダッシュボード下部や助手席側のパネルにブラケットを固定し、その上に無線機を取り付けることが多いです。
電源の接続
無線機の電源は、以下の2つの方法で接続できます。
シガーソケットから電源を取る(簡易的)
- 無線機の電源コードをシガーソケットに差し込むだけでOK
- 取り外しが簡単だが、エンジン停止時は使用不可
バッテリーから直接電源を取る(安定・推奨)
- エンジン停止時でも使用可能
- ノイズ対策が必要
手順
- バッテリーの+(プラス)端子にヒューズ付きの電源線を接続
- 無線機のGND(マイナス)を車体のボディアースに接続
- 電源線を室内まで引き込み(配線ガイドを使用すると楽)
- 無線機本体の電源入力に接続
注意点
- 必ずヒューズ(5A~10A)を入れる
- 配線はショートしないように結束バンドで整理
- 配線を無理に折り曲げない
アンテナの設置
無線機の性能を左右する重要な部分です。
アンテナの種類
- ルーフマウント型(穴あけ固定) … 安定した通信が可能
- マグネット基台型(磁石で固定) … 穴あけ不要で取り付け簡単
- ルーフレール固定型 … トラックのキャビンに挟み込んで取り付け
- ミラー固定型 … トラックのサイドミラーに取り付け
アンテナ取り付け手順
- アンテナ基台をしっかり固定
- 同軸ケーブルを車内へ引き込む(ドアの隙間や配線用の穴を利用)
- ケーブルの余長は適度にまとめ、無線機本体へ接続
注意点
- 同軸ケーブルは折り曲げすぎると通信性能が低下
- 金属部分にしっかりアースを取る
- 周波数帯に合ったアンテナを選ぶ
マイク・スピーカーの取り付け
- 付属のマイクは運転しながら操作しやすい位置に取り付け
- 外部スピーカーを追加すると、騒音下でも聞き取りやすい
無線機の動作確認
電源が正常に入るかチェック
- 電源スイッチを入れ、LED表示や音声が出るか確認
アンテナのSWR測定(電波の反射チェック)
- SWRメーターを使用してアンテナの調整
- 1.5以下が理想的な値(高すぎると通信不良)
送受信テスト
- 実際に通信できるか確認
- 他のトラックや基地局と交信して音声チェック
トラックでの無線機使用時の注意点
電波法を守る
- 無線局の免許や登録が必要な場合がある
- アマチュア無線は業務利用禁止
ノイズ対策
- エンジンノイズやオルタネーターノイズが入る場合、フェライトコアやノイズフィルターを使用
落雷対策
- アンテナに避雷器を取り付ける
- 雷が鳴っているときは使用を控える
まとめ
トラックの無線機の取り付けは、電源・アンテナ・本体の設置を適切に行うことが重要です。
特に、アンテナの設置とSWR測定をしっかり行わないと、通信がうまくできなかったり、無線機が故障する原因になります。
簡単に取り付けるなら
- シガーソケット電源
- マグネット基台アンテナ
しっかり取り付けるなら
- バッテリー直結電源
- ルーフマウント or ミラー固定アンテナ
どの方法を選ぶかは、用途と予算によりますが、できるだけ安定した通信ができる方法を選ぶのがおすすめです。
以上、トラックの無線機の取り付けについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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