トラックのワイドボディとは、標準車両よりも車幅が広く設計されたトラックのことを指します。
一般的な標準ボディのトラックに比べて、キャビン(運転席)や荷台の幅が広くなることで、積載量の向上や乗員の快適性を向上させるメリットがあります。
目次
ワイドボディの特徴
車幅
ワイドボディのトラックは、通常の標準ボディ(ナローキャブ)よりも幅が広く、一般的に以下のようなサイズになります。
- 標準ボディ(ナローキャブ):1,690mm~1,880mm程度
- ワイドボディ(ワイドキャブ):1,990mm~2,200mm程度
車幅が広くなることで、室内のスペースが広がり、荷台の積載能力も向上します。
荷台のサイズ
- 標準ボディ(ナローキャブ)
荷台の幅が約1,600mm~1,800mm程度 - ワイドボディ(ワイドキャブ)
荷台の幅が約1,900mm~2,100mm程度
ワイドボディは、荷台の横幅が広がることで、より多くの荷物を積むことができます。
そのため、大量輸送や大型の貨物を運ぶ業務に適しています。
キャビンの広さ
ワイドボディのトラックは、運転席や助手席のスペースが広くなるため、長時間の運転でも快適に過ごせる点が大きなメリットです。
特に、長距離輸送を行うトラックにはワイドボディが選ばれることが多いです。
ワイドボディのメリット
積載能力の向上
- 荷台の幅が広いため、一度に多くの荷物を運搬可能
- 長尺物や大きな荷物を積みやすい
- 荷物の積み下ろしの自由度が高くなる
運転の快適性
- キャビンが広くなることで、ドライバーや同乗者の快適性が向上
- シート幅が広くなり、リラックスできる
- 視界が広くなり、運転しやすい
高い安定性
- ワイドトレッド(車軸の幅)が広くなるため、走行安定性が向上
- 高速走行時の安定感が増す
- 横風や荷重の偏りによるふらつきを抑えやすい
ワイドボディのデメリット
小回りが利きにくい
- 車幅が広いため、狭い道や駐車場での取り回しが難しい
- 狭い道路でのUターンが困難になる
- 市街地や住宅街では運転に注意が必要
重量が増える
- 車体が大きくなる分、車両重量が増加
- 燃費が若干悪くなる可能性がある
- 運転免許の種類によっては制限がかかることがある(車両総重量の関係)
車両価格が高め
- ワイドボディ仕様のトラックは、標準ボディよりも価格が高くなることが多い
- カスタムやオプション装備を追加するとさらにコストがかかる
ワイドボディの主な用途
運送業(物流)
- 大量輸送を行う運送会社では、ワイドボディのトラックがよく使用される
- パレット積み貨物や長尺物の運搬に適している
建設業・土木業
- 建設資材や大型機材を運搬する際に便利
- 幅広の荷台を活かして、大きな材料を一度に運べる
引越し業
- 大量の家具や荷物を積むため、ワイドボディのトラックが選ばれることが多い
- 荷室スペースが広く、荷物の積み下ろしがしやすい
食品・冷凍輸送
- クーラー付きトラック(冷凍・冷蔵車)でワイドボディを採用すると、多くの食品を運搬できる
- 荷物を効率よく収納でき、配送ルートの最適化が可能
ワイドボディトラックの代表的な車種
いすゞ エルフ(ISUZU ELF)
- 小型トラック市場で人気のワイドキャブモデルあり
- 物流や建設業で多く使われている
日野 デュトロ(HINO DUTRO)
- 積載量や運転のしやすさが魅力
- 幅広い業種で利用可能
三菱ふそう キャンター(MITSUBISHI FUSO CANTER)
- ワイドキャブ仕様があり、運転の快適性が高い
- パワフルなエンジン性能と優れた耐久性
トヨタ ダイナ(TOYOTA DYNA)
- 小型から中型クラスのワイドボディトラックがラインナップ
- 市街地や中距離輸送に適している
日産 アトラス(NISSAN ATLAS)
- コンパクトながらワイド仕様のラインナップがあり、取り回しの良さと積載量のバランスが取れている
ワイドボディの選び方と注意点
用途に合ったサイズを選ぶ
- 積載する荷物のサイズや重さに応じて、最適な車幅や荷台の大きさを選ぶ
- 狭い道を頻繁に走る場合は、標準ボディのほうが扱いやすいこともある
法規制に注意
- 道路交通法では、車幅が2.5mを超えると「大型車」に分類されるため、免許の種類に注意
- 高速道路の料金区分が変わる場合がある
燃費や維持費の検討
- 燃費性能や税金、メンテナンスコストも考慮して選ぶ
- 企業の場合、長期的なコストパフォーマンスも重要
まとめ
ワイドボディのトラックは、積載能力や運転の快適性が向上するため、物流や建設業、引越し業などで広く活用されています。
ただし、小回りが利きにくい、重量が増える、価格が高くなるといったデメリットもあります。
用途に応じた最適な車両を選ぶことで、業務の効率化やコスト削減につながるため、慎重に検討することが重要です。
ワイドボディのトラックを導入する際は、荷物の種類や配送ルート、免許区分、燃費などを総合的に考慮し、自社に合った最適なモデルを選びましょう。
以上、トラックのワイドボディについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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