トラックがガス欠(燃料切れ)を起こした際のエア抜き作業は、エンジンの種類や燃料供給システムによって手順が異なります。
特にディーゼルエンジンのトラックでは、燃料系統に空気が入るとエンジンがかからなくなるため、エア抜きが必要になります。
ここでは、一般的な ディーゼルエンジンのトラックのエア抜き手順を詳しく解説します。
エア抜きが必要な理由
ディーゼルエンジンは、燃料噴射ポンプを利用して燃料を高圧で供給します。
しかし、燃料タンクが空になってしまうと、燃料ライン内に空気が入ってしまい、燃料がエンジンまで届かなくなります。
この状態ではエンジンが始動できません。
そのため、エア抜きをして 燃料ラインから空気を排出し、燃料の流れを正常に戻す 必要があります。
エア抜きの方法
エア抜きバルブがあるタイプのトラック
- 燃料を補給する
まずは十分な燃料をタンクに入れます(最低でも10L以上を推奨)。 - 燃料フィルター周辺を確認
燃料フィルターまたは燃料ポンプの周辺に エア抜きバルブ や プライミングポンプ(手動ポンプ) があるか確認します。 - プライミングポンプを使用する
- 燃料フィルターの近くにある プライミングポンプ(手動ポンプ)を繰り返し押して、燃料を送り込みます。
- 空気が抜けるまで、通常 30回~50回程度 ポンピングします。
- 燃料がポンプやフィルターから溢れてきたら、空気が抜けた証拠です。
- エア抜きバルブを開ける(ある場合)
- 燃料フィルターや燃料ラインに エア抜きバルブ がある場合は、それを少し開いて空気を逃がします。
- 燃料が出てきたらバルブを閉じます。
- エンジンを始動する
- 何度かスターターを回し、エンジンがかかるか確認します。
- かからない場合は、再度 プライミングポンプを押してエア抜き を繰り返します。
エア抜きバルブがないタイプのトラック
最近のトラックでは 自己エア抜き機能 を備えたものが増えています。
その場合、以下の手順で進めます。
- 燃料を補給する(10L以上推奨)
- スターターを回す(長めにクランキング)
- 燃料が送られるまで 10秒~15秒程度 スターターを回し続ける。
- かからなければ 30秒以上休ませて 再度クランキングする。
- 3回ほど繰り返す。
- エンジンがかかったらアイドリング
- しばらく(5分程度)アイドリングして燃料が安定供給されるのを確認する。
エア抜き後のチェックポイント
エンジンがかかった後も、以下の点を確認してください。
- アイドリングが安定しているか
- エンストしないか(燃料が完全に送られる前は不安定になることがある)
- 燃料漏れがないか(プライミングポンプやエア抜きバルブ周辺をチェック)
問題があれば再度エア抜きを行います。
エア抜きを防ぐための対策
- 燃料は早めに補給する(1/4以下になったら給油)
- 燃料フィルターを定期的に交換する(エア混入の原因になることがある)
- ガス欠を起こした場合は焦らずエア抜きを行う
注意点
- セルを回しすぎない(バッテリーが上がる可能性がある)
- 燃料フィルターを触る際は手を清潔に(異物混入を防ぐため)
- 自己エア抜き機能付きの車両は、無理にバルブを開けない
まとめ
ディーゼルエンジンのトラックがガス欠した場合、エア抜き作業が必要になります。
基本的な流れは以下の通りです。
1️⃣ 燃料を十分に補給する(10L以上推奨)
2️⃣ プライミングポンプを使用して燃料を送る
3️⃣ エア抜きバルブを開けて空気を抜く(ある場合)
4️⃣ スターターを回してエンジンを始動
5️⃣ アイドリングが安定するまで様子を見る
自己エア抜き機能付きの車両なら、スターターを回せば自然にエアが抜けることもあります。
燃料管理を徹底して、ガス欠を防ぐのがベストです。
以上、トラックがガス欠した際のエア抜きについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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