大型トラックは普通車と比べて全長が長く、旋回半径が大きいため、カーブや交差点を曲がる際には独特のテクニックが必要になります。
本記事では、大型トラックの曲がり方に関する基本的なポイントや注意点、具体的な運転技術について詳しく解説します。
目次
大型トラックの曲がる際の基本概念
大型トラックの旋回時には以下の特徴があるため、運転技術が求められます。
オーバーハング
大型トラックは車両の前後に「オーバーハング(車軸より前または後ろに飛び出た部分)」があるため、ハンドルを切ると車両の前後が外側に振れる(スイング)ことがあります。
- 前オーバーハングの振り出し → 左右の車や障害物に接触しないように注意。
- 後オーバーハングの振り出し → バック時や曲がる際に周囲の歩行者・車両に注意。
内輪差
大型トラックは前輪(操舵輪)と後輪(駆動輪)の位置が離れているため、曲がるときに後輪が前輪より内側を通ります。
このため、交差点を曲がる際には大回りする必要があります。
- 内輪差を意識しないと → 後輪が歩道や障害物に乗り上げる危険あり。
- 特に左折時 → 右寄りに進入して大きく回る必要がある。
オフセットトラッキング
トレーラーなどの連結車両では、カーブを曲がる際に後ろの車両が前車両の軌道とは異なる軌道を通る現象が発生します。
このため、トレーラーの後端が意図しない方向に動きやすい。
大型トラックの右折・左折のポイント
右折時のポイント
- 交差点の中央まで進んでから曲がる
- 早めにハンドルを切ると、対向車線にはみ出してしまうことがある。
- 交差点の中心近くまで進んでから大きく旋回する。
- 対向車の動きを確認
- 大型トラックは普通車よりも旋回半径が大きいため、対向車との距離を十分に確保。
- 右折待ち中に歩行者の動きにも注意。
- 後輪の軌道を考慮
- 内輪差によって、後輪が歩道に乗り上げないように意識する。
- 必要に応じて少し左側に寄ってから右折する(ただし後続車の動きにも注意)。
左折時のポイント
- 適度な右寄りから進入
- 左折時は内輪差が特に大きくなるため、左折直前に少し右寄りに位置する。
- ただし、あまりにも右に寄りすぎると、後続車が左側に入ってしまう危険がある。
- 後輪の動きを確認
- 大型車の左折は、前輪の動きだけではなく、後輪の軌道も考慮。
- ミラーを活用し、後輪が歩道や縁石に接触しないように注意。
- 歩行者や自転車の巻き込み防止
- 大型トラックの左側は死角が多いため、左折前にはサイドミラーで歩行者や自転車を確認。
- 「巻き込み確認」を徹底し、必要であれば一時停止して安全確認。
大型トラックの特殊な曲がり方
S字カーブを曲がる際の注意
- 1回のハンドル操作で曲がろうとしない
- 大型トラックは旋回半径が大きいため、S字カーブでは1回のハンドル操作では曲がりきれないことがある。
- こまめにハンドルを切り直しながら、後輪の軌道を意識する。
- カーブの入口と出口のライン取り
- 進入時に少し外側から入ることで、後輪がスムーズにカーブを抜けやすくなる。
Uターン時の注意
- 広いスペースを確保
- 普通車のように小さなスペースではUターンできないため、十分な広さのある場所で実施。
- 必要ならば一度切り返しを行う。
- 後続車や周囲の車両に注意
- Uターン中は一時的に道路を塞ぐため、周囲の状況をよく確認し、安全を確保。
狭い路地での右左折
- 一度前に進んでから切り返す
- 狭い道では1回で曲がりきるのが難しいため、前進してスペースを確保してから旋回。
- 必要に応じて切り返しを行う。
- 周囲の建物や障害物に注意
- オーバーハングによる振り出しにより、壁や電柱に接触しやすいため注意が必要。
大型トラックの曲がり方のコツまとめ
- 交差点では広めに回る
- 内輪差を考慮し、適切な位置取りをする。
- 後輪の軌道を意識
- ミラーを活用して後輪が障害物に乗り上げないように確認。
- 左折時の巻き込み防止
- サイドミラーで歩行者や自転車を確認し、必要なら一時停止。
- S字や狭い道では焦らず慎重に
- こまめなハンドル操作と切り返しで安全に通過。
大型トラックは普通車とは異なる運転技術が求められますが、基本を押さえれば安全に曲がることが可能です。
特に内輪差やオーバーハングを意識し、慎重な運転を心がけましょう。
以上、大型トラックの曲がり方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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