トラックのエアホーンが鳴らない原因とその対処法について詳しく解説します。
目次
エアホーンが鳴らない原因と診断方法
エアホーンが鳴らない原因は、大きく分けて以下の4つに分類できます。
- エア供給系統の問題(エア不足・エア漏れ)
- 電気系統の問題(スイッチ・リレー・ヒューズの異常)
- ホーン本体の故障
- 環境要因(気温・湿度・凍結)
それぞれの原因と診断方法、対処法を詳しく説明します。
エア供給系統の問題
原因
エアホーンは圧縮空気を利用して音を出すため、以下のようなエア供給系統の問題があると動作しません。
- エアタンクの圧力不足
- エアタンク内の圧力が低下すると、ホーンまで十分な空気が供給されません。
- エアホースの詰まりや劣化
- 長期間使用していると、ホース内にゴミや水分が溜まり、詰まることがあります。
- エア漏れ
- ホースや接続部分に亀裂があると、エアが漏れて十分な圧力を供給できなくなります。
診断方法
- エアタンクの圧力を確認
- トラックのエアメーターを見て、エアタンクの圧力が通常範囲(約7〜10kg/cm²)にあるか確認。
- 圧力が低い場合、コンプレッサーやタンクの問題を疑う。
- エア漏れのチェック
- エアホースや接続部から「シュー」という音がしないか確認。
- 石鹸水をかけて泡が出る部分がないかチェック(漏れがある場合、泡が出る)。
- エアホースの詰まりを確認
- ホーンを外して、エアが正常に出ているか手で感じる。
対処法
- エアタンクの圧力が低い場合
- コンプレッサーの異常やエア抜きバルブの閉め忘れを確認。
- エアタンクの水抜きを行う(結露による水分が原因で圧力低下することがある)。
- エアホースの劣化・詰まりの場合
- ホースの詰まりをエアブローで除去する。
- 劣化している場合は交換する。
- エア漏れの場合
- 接続部分を増し締めする。
- 亀裂や破損しているホースを交換する。
電気系統の問題
原因
エアホーンはエア供給だけでなく、電気信号によって作動するため、以下のような電気系統の異常があると鳴りません。
- ホーンスイッチの故障
- リレーの不良
- ヒューズの切れ
- 配線の断線や接触不良
診断方法
- ヒューズの確認
- ヒューズボックスを開けて、ホーン用のヒューズが切れていないか確認。
- ヒューズが切れていた場合、交換後に再発するなら配線のショートを疑う。
- リレーの確認
- ホーンリレーを外して、同じ型のリレーと入れ替えて動作するか確認。
- リレーがカチカチ音を出していなければ故障の可能性が高い。
- ホーンスイッチの確認
- ステアリングのホーンボタンを押しても反応がない場合、スイッチが故障している可能性。
- マルチメーターでスイッチの導通をチェック。
- 配線のチェック
- 配線が断線していないか目視で確認。
- 電圧テスターを使い、ホーンまで電圧が届いているか確認。
対処法
- ヒューズ切れの場合
- 規定のアンペア数のヒューズに交換する(再発するならショートの可能性)。
- リレーの故障の場合
- 新しいリレーに交換する。
- ホーンスイッチの故障の場合
- ステアリング内部のスイッチを交換(配線の接触不良も確認)。
- 配線の断線・接触不良の場合
- 断線している部分を補修するか、新しい配線に交換する。
ホーン本体の故障
原因
- ダイヤフラムの破損
- エアホーン内部には振動板(ダイヤフラム)があり、劣化すると音が出なくなる。
- 内部の汚れや錆
- エアホーン内部に水分が入り、錆や汚れで動作不良を起こす。
診断方法
- ホーン本体を外し、別のエアホースに繋いで動作するか確認。
- ダイヤフラムが動いているか分解して確認。
対処法
- ダイヤフラムが破損している場合
- 交換用のダイヤフラムに交換。
- 内部が汚れている場合
- エアブローで掃除し、潤滑スプレーを使用する。
- ホーン本体が完全に故障している場合
- 新しいホーンに交換。
環境要因(凍結・湿度)
原因
寒冷地ではエアホーン内部の水分が凍結し、動作しないことがあります。
診断方法
- 気温が低い時期にだけ鳴らない場合は、凍結の可能性が高い。
対処法
- エアホーンに水抜き用のドレンを付ける。
- シリコンスプレーや潤滑剤を使用して凍結を防ぐ。
- 冬場はエアホーンをカバーで保護する。
まとめ
原因 | 診断方法 | 対処法 |
---|---|---|
エアタンクの圧力不足 | メーター確認 | コンプレッサー・タンクのチェック |
エア漏れ | 音・石鹸水チェック | ホース増し締め・交換 |
ホーンスイッチ故障 | ボタンを押して反応確認 | スイッチ交換 |
リレー故障 | リレー交換 | 新品に交換 |
ヒューズ切れ | ヒューズチェック | 規定のヒューズに交換 |
ダイヤフラム破損 | 分解して確認 | 交換 |
凍結 | 気温と関連性確認 | 潤滑剤・カバー使用 |
エアホーンが鳴らない場合は、まず圧縮空気の供給と電気系統をチェックし、最後にホーン本体の問題を疑うとスムーズに原因を特定できます。
以上、トラックのエアホーンが鳴らない原因と対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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