トラックのホイールナットが緩むことは、重大な事故につながる可能性があるため、原因を正しく理解し、適切な対処を行うことが重要です。
以下では、ホイールナットが緩む主な原因とその対処法について詳しく解説します。
目次
ホイールナットが緩む主な原
ホイールナットが緩む原因はいくつか考えられますが、主に以下のような要因が影響します。
トルク管理の不備
ホイールナットは適正なトルクで締め付ける必要がありますが、適切なトルク管理が行われていないと、ナットが緩む原因となります。
- 締め付け不足:ナットが十分に締まっていないと、走行中の振動や遠心力で徐々に緩んでしまう。
- 締め付け過剰:ナットを強く締めすぎると、スタッドボルトが伸びて弾力を失い、ナットが緩みやすくなる。
対策
- メーカー指定のトルク値を確認し、トルクレンチを使用して適正トルクで締める。
- 特にホイール交換後は、50~100km走行後に増し締めを行う。
ホイールの取り付け面の異常
ホイールとハブの接触面が適切でないと、ホイールナットの締め付け力が均等に伝わらず、走行中に緩む可能性があります。
- 汚れや錆の付着:取り付け面に汚れや錆があると、締め付け時に摩擦が不均一になり、緩みの原因になる。
- 異物の挟み込み:砂や異物が挟まると、締め付けた際に正しい固定ができず、走行中にナットが緩む。
対策
- ホイール交換時に、ハブやホイールの取り付け面を清掃する。
- 防錆剤やグリスは使用せず、乾燥した状態で取り付ける(滑りやすくなり、トルクが正しくかからない)。
- 異物がないかチェックし、装着前にエアブローやブラシで清掃する。
ホイールナットやボルトの劣化
ナットやスタッドボルトが劣化すると、十分な締め付けができず、走行中の振動で緩む原因になります。
- 摩耗・変形:長期間使用したホイールナットは、ネジ山が摩耗して締め付け力が低下する。
- スタッドボルトの損傷:ボルトが伸びたり、ねじ山が摩耗していると、適切な締め付けができない。
- サビ・腐食:錆が発生すると、トルクが正しく伝わらず、緩みやすくなる。
対策
- ホイールナットやスタッドボルトを定期的に点検し、摩耗や変形がある場合は交換する。
- サビが発生している場合はワイヤーブラシで清掃するか、新品に交換する。
- 中古ナットの再利用は避ける(摩耗している可能性がある)。
ホイールの取り付け方法の問題
ホイールナットの締め付け順序や方法が間違っていると、ナットが緩みやすくなります。
- 対角線締めをしていない:ナットを適当に締めると、ホイールが均等に装着されず、ナットが緩む原因となる。
- 一気に強く締める:一度に強く締めすぎると、ホイールが歪み、走行中にナットが緩む可能性がある。
対策
- 対角線順に少しずつ均等に締める(★の順番で締める)。
- 6穴ホイール:①→④→②→⑤→③→⑥
- 10穴ホイール:①→⑥→②→⑦→③→⑧→④→⑨→⑤→⑩
- 最後にトルクレンチを使用して適正トルクで締め付ける。
振動や衝撃の影響
トラックは長距離運行や悪路走行が多いため、ホイールナットに強い振動や衝撃が加わります。
- 長時間の走行:ナットが徐々に振動で緩む。
- 悪路や段差の衝撃:振動が加わることでナットが緩む可能性がある。
対策
- 定期的な増し締めを行う(特に長距離運行後)。
- 振動が大きい路面を走行した後は点検を実施。
ホイールナットの緩みを防ぐための対策
日常点検の実施
- 走行前後にホイールナットの緩みや異常を目視でチェック。
- ナットが緩んでいないか手で触れて確認。
- ナットマーカー(緩み防止マーカー)を活用することで、ナットの緩みを一目で確認可能。
ホイールナットの増し締め
- ホイール交換後、50~100km走行後に増し締めを実施。
- 定期的にトルクレンチを使って適正トルクで増し締めを行う。
ナットロックや緩み防止ナットの導入
- 振動や衝撃による緩みを防ぐため、ナットロック(二重ナットや緩み防止用の専用ナット)を使用する。
- ナットストッパーを装着することで、ナットの回転を防ぐ。
スタッドボルトとナットの交換時期を守る
- 走行距離が増えたり、摩耗が進んだ場合は新品のナットとスタッドボルトに交換する。
- 適正な部品(メーカー推奨品)を使用する。
まとめ
トラックのホイールナットが緩む原因として、「トルク管理の不備」「ホイールの取り付け面の異常」「ナットやボルトの劣化」「取り付け方法の問題」「振動や衝撃の影響」などが考えられます。
緩みを防ぐためには、適正トルク管理、ホイール取り付け面の清掃、対角線締め、増し締めの実施、ナットロックの導入などの対策が有効です。
ホイールナットの緩みは重大事故につながるため、日常点検や定期的な増し締めを徹底し、安全な運行を心がけましょう。
以上、トラックのホイールナットが緩む原因と対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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