トラックにおけるオートマチックトランスミッション(AT)の普及は、近年着実に進行しています。
特に、運転手の高齢化や人手不足といった社会的課題に対応するため、操作が容易で負担の少ないAT車の導入が推奨されています。
また、AT限定免許の取得者が増加していることも、AT車の需要を後押ししています。
技術的な進歩もAT車の普及を支えています。
従来、トラックにおけるATの導入が遅れていた主な理由は、トルクコンバーター式ATの「トルクロス」と呼ばれる動力伝達の損失が、重量物を運搬するトラックには不向きとされていたためです。
しかし、近年ではMT(マニュアルトランスミッション)をベースに自動変速機能を組み合わせた「セミオートマ」や「AMT(オートメーテッド・マニュアル・トランスミッション)」と呼ばれるシステムが開発・普及し、ATの利便性とMTの燃費効率を併せ持つトラックが増加しています。
具体的な普及率に関しては、車種や用途によって異なります。日本自動車工業会の調査によれば、2022年時点で運輸業界が保有する車両の34%がAT車であり、その割合は増加傾向にあります。
一方で、特に大型トラックでは約3割、中型トラックでは約7割がMT車であるとのデータもあり、車種や用途によってAT車の普及状況は異なります。
AT車の導入には多くのメリットがあります。例えば、クラッチ操作が不要なため、運転操作が簡素化され、ドライバーの負担軽減につながります。
また、誰が運転しても安定した燃料消費量でトラックを運行できるため、燃費の均一化が図れます。
さらに、AT限定免許を持つ人材の採用が可能となり、人手不足の解消にも寄与します。
しかし、AT車の導入には課題も存在します。例えば、AT車はMT車に比べて故障が多いとの指摘や、AT限定免許取得者が増えることで、MT車しかない現場での対応が難しくなるといった懸念があります。
また、AT車の普及に伴い、運転技術の低下や安全性への影響を指摘する声もあります。
今後、トラック業界におけるAT車の割合は引き続き増加すると予想されます。
これは、電気トラックや自動運転技術の進展とも関連しており、特に都市内配送や長距離運送において、AT車の需要が高まると考えられます。
一方で、特定の用途(山道や重い荷物の運搬)では、引き続きMT車が支持される可能性もあり、用途や地域、運送業務の性質によって、AT車とMT車の選択が続くと考えられます。
世界的な状況を見ると、欧米では日本に比べてATトラックの普及率が高い傾向にあります。
特に欧州では、ATやAMTの導入が進んでおり、安全性や燃費向上のために自動変速機が標準化されつつあります。
また、北米では大型トラックの多くがAT車に移行しています。
総じて、トラックのAT化は確実に進行しており、運転者のニーズや技術革新によって、今後もその割合は高まっていくと考えられます。
ただし、用途や地域、運送業務の性質によって、AT車とMT車の選択肢が共存する状況は続くでしょう。
以上、トラックのオートマの割合についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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